「お兄ちゃんなんだから我慢して!」はNG? きょうだいゲンカで親がしたい声かけ6つ

さっこせんせい (著), 遠藤利彦 (監修)
2026.10.23 04:36 2026.10.26 11:50

兄弟でケンカをする小学生のイメージ

上の子が遊んでいるところに下の子が手を出して、きょうだいゲンカに……。「お兄ちゃんなんだから我慢して」「下の子を泣かせないで」と、ついどちらかを注意してしまうことはありませんか? でも、年齢の違うきょうだいが一緒に遊ぶのは、実はとても難しいもの。上の子にも下の子にも、それぞれの気持ちがあります。

保育士として11年以上、子どもたちと関わりながら子育て情報を発信するさっこせんせいと、発達心理学の専門家・東京大学大学院の遠藤利彦教授が、きょうだいそれぞれの気持ちをくみ取り、双方に寄り添う声かけを紹介します。

※本稿は、さっこせんせい (著), 遠藤利彦 (監修) 『親子でラクになる声かけことば150』(Gakken)より一部抜粋、編集したものです。

こう考えるとラクになる♪

大前提として、「どちらも悪くない」

年齢の違うきょうだいがいっしょに遊ぶのは、実はとても難しいこと。ひとりで集中したい上の子どもと、気になって手を出したい下の子ども。トラブルになるのも、無理はありません。

でも、この場合、どちらも悪くないんです。上の子どもは、自分の世界に集中しているだけ。下の子どもも、邪魔をしたいわけではなく、好奇心が育ち、「触ってみたい!」と感じるだけなのです。

どちらの気持ちもくみ取って

だからこそ、ポイントは、どちらの気持ちもくみ取って受け止めてあげること。ここでどちらかを注意してしまうと、注意された子が„悪者"になり、きょうだい仲まで悪くなってしまうことも。

さらに、間違った声かけは、子どもの育ちの妨げになりかねません。「どっちも悪くないよ」。その姿勢を忘れずに、両方に寄り添う声かけを心がけましょう。

公園で仲良く走る兄と妹のきょうだいの夏

下の子どもへの声かけ①気持ちをくみつつ上の子どもをほめる

お兄ちゃん、すごいもの作ってるから触りたくなっちゃうよね

【ポイント】
下の子どもが邪魔をするのは、上の子どもが楽しそうだから。なのでどちらも責めずにすむ声かけがおすすめです。

「お兄ちゃんがすごいもの作ってるから、触りたくなっちゃうよね」と、下の子どもの気持ちを受け止めつつ、上の子どものことも認められると、一石二鳥です。

下の子どもへの声かけ②親のひとりごとで意識をこちらに向ける

(ほかのおもちゃを見て)このおもちゃ、おもしろ〜い!

【ポイント】
上の子どものおもちゃを触りたがるのは、楽しそうに見えるから。

「このおもちゃ、おもしろ〜い!」と、親が別のもので楽しそうに遊ぶと、注目がそちらに向きます。

下の子どもへの声かけ③下の子どもに助けを求める

ここはどうしよう……◯◯くん、手伝って〜

【ポイント】
下の子どもの意識をこちらに向けたいときは、助けを求めてみましょう。

少し離れた場所で、「どうしよう……◯◯くん、手伝って〜」と困った雰囲気を出すのです。すると、「教えたい!」という気持ちに火がついて、上の子どもへの注目をこちらに向けさせます。

元気に走り回る園児

上の子どもへの声かけ①下の子どもが邪魔をしたがる理由を伝える

◯◯くんが楽しそうに遊んでるから、すごく素敵に見えるんだよね

【ポイント】
下の子どもを注意すると、下の子どもに悪い印象を持ってしまうことも。だから叱るのではなく、上の子どもをほめる声かけに変えましょう。

「◯◯くんが楽しそうに遊んでるから、すごく素敵に見えるんだよね」と。邪魔される理由を、上の子どもの魅力として伝えてあげるのです。

上の子どもへの声かけ②ひとりで遊びたい気持ちを尊重する

今はひとりで遊びたい?わかったよ

【ポイント】
「今はひとりで遊びたい?」と、下の子どもが入っていいか聞いてみましょう。「イヤ」ならそのまま。ひとりの空間を大切にするのは、悪いことではありません。

上の子どもへの声かけ③安心してひとりで遊ばせてあげる

パパが(下の子どもを)見てるから安心してね

【ポイント】
いつも邪魔されていると、上の子どもは下の子どもが近づくだけで、過敏に反応するようになります。

そんなときは、「パパが見てるから安心してね」と声をかけましょう。「大丈夫、守ってもらえる」と思えると、上の子どもは落ち着いて、自分の遊びに集中できるようになります。

ラクになるアイデア

上の子どもへの期待は知らないうちに上がっている

下の子どもが生まれたとたん、上の子どもへの期待値は、無意識のうちに一気に上がります。

私自身、下の子どもが生まれてから、上の子どもについ「自分でできるでしょ」と言うことが増えました。でも当時、上の娘はまだ3歳にもなっていなかったんです。何もできない赤ちゃんと比べると、上の子どもがなんでもできるように見えてしまうんですね。

我慢させることが増えたと感じたら、その子どものことを「お兄ちゃん・お姉ちゃん」や「もう◯歳」として見ていないか、振り返ってみてください。

生まれた順や年齢ではなく、「わが子」そのものとして見ること。そして、1日5分でいいので、上の子どもとだけの時間をつくってみる。それだけで、上がった期待値は、自然と下がっていきますよ。

さっこせんせい

保育士ママ。保育歴11年、これまでに500組以上の親子と関わる。子どもの気持ちに寄り添った声かけや、親子の関係をよりよくする子育て情報をInstagramで発信している。

遠藤利彦

東京大学大学院教育学研究科教授。専門は発達心理学・感情心理学。養育者と子どもの関係性や、子どもの社会情緒的発達について研究している。


さっこせんせい (著), 遠藤利彦 (監修) 『親子でラクになる声かけことば150』(Gakken)

「何度言っても伝わらない」
「つい怒ってしまう」
「もっと笑顔で子どもと過ごしたい」

そんな子育ての悩みに寄り添いながら、子どもとの日々の生活を楽しくしてくれる一冊。

本書では「まずは〇〇しよう」「〇〇はできてるね」などのシンプルな声かけから、「早くして」→「帰ったら〇〇しよう」などの言いかえまでを一挙紹介! 同じ場面でもいくつもの声かけを紹介しているので、わが子に合った伝え方がきっと見つかるはずです。

著者は保育士ママで保育歴11年のさっこせんせい。これまでに500組以上の親子と関わり、子どもの気持ちに寄り添った声かけや、親子の関係をよりよくする子育て情報をInstagramで発信して話題を集めています。東京大学大学院教育学研究科の遠藤利彦教授監修のもと、親しみやすいイラストとともに、今すぐ使える150種類の声かけを掲載しているので、ママ・パパのみならず、子育てに関わるすべての人々におすすめです。