あの虫が砂浜に?「黒目がちで愛おしい」と海あそびナビゲーターが推す生き物

茂木みかほ
2026.06.22 14:55 2026.06.25 11:50
『子どもと海あそび』より
『子どもと海あそび』より
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子どもたちが大好きな「ダンゴムシ」、実は砂浜でも出会えるって知っていましたか?

海辺で暮らす「ハマダンゴムシ」は、ころんと丸まる姿、黒目がちの瞳が愛らしい生き物。その姿はダンゴムシにそっくりですが、海水がないと生きることができません。

海あそびナビゲーター・茂木みかほさんの著書より、「ハマダンゴムシ」の魅力と生態、さらに家庭での飼育方法までご紹介します。

※本稿は、茂木みかほ著『子どもと海あそび』(グラフィック社)より一部抜粋、編集したものです。

ハマダンゴムシを探そう

「砂浜の掃除屋さん」と呼ばれる、砂浜に暮らすダンゴムシのことを紹介します。

完璧な球体で、黒目がち。可愛い条件が揃っている生き物。はじめて見たその日から、完全にとりこになってしまったのがハマダンゴムシです。

2年前、観音崎自然博物館・ジュニア生物調査隊の活動中に出会いました。その日は、三浦海岸からバスで少し行ったところの砂浜でヒョウタンゴミムシを子どもたちと探していました。途中、まんまるの生き物に出会ったのです。懐かしさと驚きで、興味の対象が完全にハマダンゴムシになってしまった瞬間でした。

ハマダンゴムシは波のかからない陸寄りの、掘ると湿っている場所にいます。昼間は砂の中に潜っていて、夜になると打ち上がったものや落ちているものを食べに出てくる夜行性です。

砂の中から1匹見つかると周囲から何匹も見つかり、模様が違うのが楽しくて砂を掘る手が止まらなくなったのを覚えています。本来の目的だったヒョウタンゴミムシも同じような場所にいました。その姿は、まるでクワガタ! かっこよく、昆虫好きな子が目をキラキラさせるのが納得できました。それにしても「ヒョウタンゴミムシ」とは、一度聞いたら忘れられない名前。浜のゴミが溜まるような場所にいるのが由来なのだとか。神奈川県レッドリストでは、絶滅危惧II類になっています。

同じような環境にいるハマダンゴムシとヒョウタンゴミムシは、食う・食われるの関係にあります。ハマダンゴムシは敵から襲われそうになると、鎧をまとった体を丸くして防御します。大体の敵は手出しができなくなって諦めるのですが、天敵ヒョウタンゴミムシには噛み砕かれてしまいます。

『子どもと海あそび』より
『子どもと海あそび』より
『子どもと海あそび』より
『子どもと海あそび』より

夜、食事風景を観察してみよう

『子どもと海あそび』より

夜の砂浜をライトで照らすと、ハマダンゴムシが活発に腐りかけの海藻や魚の死骸を貪り漁っていました。昼は静かに丸まっていますが、夜は元気です。夜の観察には砂浜の海藻や流木などを探しましょう。大体セットでぴょんぴょん跳ねるハマトビムシも見られます。打ち上がった海藻や魚は、これらの小さな住人たちの餌となります。

家で飼ってみよう

『子どもと海あそび』より
『子どもと海あそび』より

基本的に海の生き物を飼育することは推奨していませんが、海水やそれに近いものが用意できるならばハマダンゴムシは比較的家でも飼育がしやすい生き物です。私は採集した場所の砂と一緒に持ち帰り、湿った状態を絶やさないように定期的に霧吹きで水分を補給しました。餌は拾ってきた海藻、キャベツやニンジンなどの野菜くず、みかんの皮、干しエビ、煮干し、キャットフード、コウイカの甲、それに海水。比較的なんでも食べますが、海水がないと死んでしまいます。海水はお弁当のおかずカップを浅くしたものに入れ、ハマダンゴムシが水を飲みに来た際、溺れないように真ん中にカイメンを入れておきました(いざというときに這い上がれるよう)。脱皮にも海水のミネラルが必要なのでしょうか。海水は、ハマダンゴムシにとってなくてはならないものですが、飲み場として置くだけではなく、砂に海水を染み込ませて湿度を保ってもいいかもしれません。実際に、砂浜を掘っていくとある地点から湿っていて、舐めてみると少ししょっぱかったです。

日中はほとんど姿を見ません。大体いつも表面から5cmくらいの場所に潜り、頭を下にしてじっとしています。防御体制なのかもしれません。夜になると、カサコソと表に出てきて、餌を食べています。魚でも野菜でも新鮮なものより、腐りかけのものの方が好みのようでした。海藻をかじった跡が見られたときは嬉しかったです。手のひらに乗せると、最初は丸まっていますがすぐに動き出し、何度も手から落ちそうになりました。ふれあう度、心がほっこり温かくなるのです。小さな命からたくさんのことを学びました。何より、くるんっと丸まっている姿が愛おしいです。

茂木みかほ

群馬県生まれ、葉山在住。海あそびナビゲーター。「おさかなラボ」主宰。日本さかな専門学校講師。 逗子・葉山をメインフィールドに、子どもたちと海あそびを楽しむ。趣味は、磯と干潟の生き物観察。ネコと魚がすき。元水族館職員。観音崎自然博物館ボランティア。

子どもと海あそび

茂木みかほ著『子どもと海あそび』(グラフィック社)

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